旗艦店を創る際に、アーティストにお願いしたいポイントがいくつかありました。お店の顔ともなるファサードです。立て看板があったこともあり、華美なモノは避けようという狙い。でも大事なファサードを彩るポイント、それはお店の名前、そして装飾です。空間と中の光と商品の佇まいがチラ見するように、大きなガラス戸を使用することは決まっていました。それに対して彩りをどうするのか?実はひとつは決まっていたんです。2年前に撮影にて訪れた奄美大島のステンドグラスアーティストである、Sea Shore Stained Glass 主宰の熊崎さんにステンドグラスを作成していただくことを決めていたんです。オーストラリアにて修行を積まれた熊崎さんは、奄美大島に訪れた際に自身に必要としていた自然に魅入られてその場所を選ばれたといいます。一面緑に囲まれて生活をしたいなと。インスピレーションを受けるモノの多くが自然によるものだと語ってくれました。作品が見られるアトリエ兼ギャラリーは奄美大島の芦徳集落にあり、自然そのものを切り開いて自身で創り上げた素晴らしい場所であり空間なのです。実はその場所の素晴らしさを以前から知っていたので、撮影をさせていただけないかとお願いしたのがきっかけでもあるのでした。笑。自然との調和が感じられる空間での撮影は間違いなく最高の出来になるとシャッターを切りまくりました。優しい眼差しで撮影の風景を見ながら、自分達の商品を見てもらったりもして、手に取ってもらいながら、同じ生産についての思いなども交わすコトが出来たんです。
さあ、お願いしよう!と連絡をしたのがオープンまで3ヶ月を切っていた2月上旬。果たしてそもそもが可能なのだろうか?と不安にも駆られながら、「あの~ご無沙汰しております!」「ひさしぶり~元気?」いつもの優しい声です。「実はかくかくしかじか、こうしていきたいのでぜひ力をお貸しください。お願いします!」「ちょっとタイトだけどもなんとかするよ!逆にすごい嬉しいコトだし、やるよ!」というふたつ返事で、さっそく図面等のやり取りとイメージを伝えてスタートしたのです。今になっても思います。いつもながら急なお願いにも関わらず、無理と言わずにどうにかするよって言っていただける幸せ!本当にありがとうございます。大体のイメージは伝えてあとは、アーティスト熊崎 浩におまかせします!という無茶ぶりも快く?笑、引き受けてくれました。「時間ないけど頑張るよ!って」笑
お店に向かって右側が東なので日が出ずるイメージで、太陽の暖かさが感じられるような雰囲気を希望しました。これ!出来上がりです。貴重なガラスをふんだんに使用していただき、特筆すべきは太陽のオレンジ部分。これなかなか出会えないカラーなのだそうです。見てもらうとわかるのですが、単一のカラーではなく見る方向と向きによって表情が一変するシロモノです。これを見るだけでもドキドキが半端なく、脇汗が染みだすのでした。オープンの1週間前に大阪まで取り付けに来てくれ、嬉しい再会です。内装工事自体も最終工程まで急ピッチで、そのさなかに取り付けていただきました。割れないようにそーっとそーっと最後の仕事を丁寧に仕上げてくださいました。ちょうど台風1号のうねりが届き始めていたところで、取り付けを手伝っていただいたご友人の大工さんと、「どこかで波乗りしたい、したい!明日休みにしてどこかアテンドしてよ!」汗。冗談とは思えないジャブを連発されながらも、状況を丁寧に説明し、事なきを得ました。笑。次こそ大阪ナイトと波乗りセッションしましょう!そして向かって左側はこちら。
西側にあるので、東から日が出ずるならば西は日が沈む海だろうということで、このシチュエーション込みで海と波のモチーフでと希望を伝えました。写真でも十分に伝わるかとは思いますが、とても綺麗な色彩だと思いませんか?異なるガラスと色を組み合わせてこんなにも素晴らしいモノが出来上がってきたことで、現場もテンション爆上がり!物件の構造上の柱がなるべく干渉しないようにとバランスをもって作成に取り掛かるところもまさに職人であり、アーティストですよね。間違いなく素晴らしい出来栄えです。実際に眼で見ていただくことをオススメ致します!木造りの店内に鮮やかな彩りが差し込まれた瞬間に立ち会えたこと、とても光栄に思います。熊さん本当にありがとうございます!
Thank you so much always!